風にふかれに、
加美町の薬莱山(やくらい山:加美富士とも呼ばれるらしい)付近は、リゾート開発が行われていて、リゾートウェディングなども行われているらしい。
そのやくらいガーデンが、台風被害のために、入場料を500円を250円にしているという新聞報道に、家族の、値引きマニアの触手が動いた
それまでの労力がいかほどかかろうとも、ちょっとばかりの得をしたいという欲望に、感服する。
人間は、そういうところがないとうまく生きていけない
250円引きの欲望をかなえるために、ガソリンをガンガン消費する、ナビさえついていない3ナンバーで山道を駆け抜けることになった
ガーデンを巡ると、初老の家族連れと、若いカップルが、コントラストを放っていた。
遠くのほうでは、バイオリンの音さえ響いている
やくらいガーデンを出ると、食事のことを考え始める。
せっかくここまできたんだから、「あの、まぼろしのそばや」に行こうという気になった。というより、「いってみっかと」口走ったら、「いくべ」という事になった
私も、名前しか聞いたことがなく、
私にその店を教えてくれた人も、そこにたどり着いたことがないこのことだった
ただ、その店で修行した人が仙台で店を出していて、そこで、その店の名刺をもらっていて、いつか行きたいと語ってくれた
そのあと、私も、その店の場所をグーぐるマップで調べたのは覚えていた。
あとは、土地勘ナビゲーションで車が徐行しないとすれ違えないような道を、走らせた
この町のこんなところで、リゾート開発みたいなことやってる不動産やがいるのか、と驚いた
地元産のオーラがない数件の家屋がある 別荘地の匂いに思えた
ロッジが蕎麦屋になっている。
紫色の暖簾もない、ここが入り口ですと書いてある札を見つけ、店内に向かう。
蕎麦屋の店員さんというよりは、どっかの会社の役員の奥さんみたいなオーラが私のようなものには見えてしまう
囲炉裏のところに座る。残念だが、仕事っぷりは見えない。
親方はすぐ見てわかった 姿勢がいい。
店に気取りはなかった
ざるそばを頼んだ
「テンカスがついてる」これはいい
(俺と、同じセンスだとポーカーフェースで思った)
店を出ると、店を出た老婦人が「この店は、なんでも無駄にしないでやっているのね」といっていたそうだが、私も同じようなことを思っていた
ちいちゃなヤマグリを出してくれたり、下のほうの池では、たぶん岩魚を養殖している。
ヤマグリなどうまいものではないけれど、季節を楽しむには十分な素材だと思う
その土地が持っている土着の印象は全くない
私は、この食事の短い時間の中で、いろいろな思いをめぐらすことができた
そういうことが楽しかった
店を出るとき、私の500円のスリッパは、きちんと下足箱に調えてあった
店のベランダから下を見ると、先ほど囲炉裏で食事をしていた若いファミリーが、店がおいていると思しきハンモックに子供を乗せて遊んでいた。
そういうことができる雰囲気の店なんだろう